レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
――これが正しかったのかはわからない。
悩みに悩んで、今だって「正解だった」なんて確信はできてないけれど。
「……おい」
机の周りをうろうろしまくるあたしに、しびれを切らした"彼"が、どんと机を叩いた。
それにびくっとしたと同時に、少し緊張が収まる。
「いいか?」
彼は人差し指を立てて、足を組んで、いつもの高飛車な口調で告げた。
「この大スターの俺様はビッグイベントの連続ですっっごく忙しい中、どうしても話がしたいという素人雑用係のわがままに付き合って、今月唯一の半日オフを諦めてまでこのクソ事務所に足を運んでやっている。しかも朝7時。お前、この状況わかってんのか?」
「…は、はい。しょーご様」
何も言い返せず、あたしは深々と頭を下げた。
…でも、まさか来てくれるとは思っていなかった。