レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
「でも、わかんないっしょ。 もしかしたら俺がこのクソ事務所にものすごい不満持ってて、裏切ってやろうと思ってるかもしれない」
「メールが届いたんです」
あたしはケイくんみたいに冷静に、しょーごさんの言葉に重ねて言った。
「…メール?」
しょーごさんが長い脚をほどいて、少し身を乗り出す。
いい匂いが近づく。
「…! ひゃ、っ!」
近い。
ただでさえ同じソファーに並んで座っていたのに、近づかれると本当に顔が目の前。
――全然、慣れてなんかいなかった。
「きゃああっ」
いつもの癖で後退りしたら、体がぐっと傾いて、ソファーから落ちそうになる。
「…おっと」
しょーごさんがあたしの腕を掴んで、抱き寄せるような体制になった。
「……っ」
しょーごさんの胸の中に収まるような感じ。
いい匂いに包まれる。体の熱が上昇する。
…し、思考ストップしちゃう。
「おい、チア」