レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
しょーごさんに肩を叩かれて、なんとか頭を回転させる。
…しっかりしなきゃ、しっかり!
「メールって、なんだ」
「……ち、近い…」
「…は?」
あたしはばっとしょーごさんから離れて、赤くなった頬がばれないように、手で隠した。
「ち、近すぎて話しにくいの」
「お前がそこ座ったんだろ。…ま、いいけど」
しょーごさんは精悍な顔を少ししかめて、あたしから離れた。
――…やっちゃった。
恥ずかしいからって、こんな言い方することなかったのに。
心の中で反省していたけれど、今のしょーごさんにはそんなことは関係ないみたいだった。
「んなことより、メールって。チア、お前の携帯に届いたのか?」
「えっ、いやまさかそんなことは。事務所宛のメールで…」
「…なんだ」
しょーごさんが一気に肩の力を抜いたのがわかる。