レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
……あ。
考えてもいなかったポイントを突かれて、とっさに何も言えなくなった。
「……」
「最初に来たその手紙だと、"アイドルもファンもみんな"だけど」
しょーごさんは、あくまで冷静。
信じられないぐらい落ち着いている。
「次に来たそのメールだと、明らかにターゲットが"歌手"、つまり俺になってるよな?」
確かに。
確かに、そうだ。
なんでかわからないけど、"みんな"と宣言された時よりも、胸騒ぎが酷くなる。
「…っ」
自分がどんな顔をしていたのかはわからない。
けど、知らず知らずのうちに俯いていた。
――頭に、ぽんと手が置かれた。
大きくて温かな感触に、ぱっと顔を上げる。
「そんな顔すんなって」
目が合うと、しょーごさんがにっと笑った。
「言っておくと、俺は不死身だ」