レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
「過去のものも混じってるから、気をつけてね」
彩花さんにそう言われて、注意深く照らし合わせていく。
ちらっとしょーごさんに目を遣ると、彼はソファーに座ったまま、何かを考えているようだった。
…手を動かしていると、あまり難しいことを考えずに済むなぁ。
そんなことを思いながら、写真を分類していく。
選りすぐりの美男美女がいっぱいだった。
「過去のものって、やめちゃった人のことですか?」
「そうよ。ここに赤いマークがついてるでしょ。それはもう過去の人」
「へぇ…」
細くて綺麗な女の子。
二度見してしまうようなイケメン。
彼女たちに赤いマークがついているのは、なんだか寂しいような気持ちになった。
「芸能界は、厳しい世界よねホントに」
彩花さんも同じことを思ったのか、苦笑いする。
一枚の写真が目に留まった。
――しょーごさんに、すごく雰囲気が似ている。
挑戦的な目を持った、茶髪で、精悍な顔立ち。
何故か名前は書いていない。
赤マークも、ない。
「彩花さん、これ…」
「ん?」
どう分類していいかわからなくて、彩花さんに見せると、はっとした顔になった。