レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
控室には、荷物がごちゃごちゃ。
バッグやらなんやら、いろんなものが散らばっていて、思わず片付けたくなるような汚さだった。
林田さんはさてと、と伸びをした。
「俺はまだ挨拶回りに行ってくる。チア、ここ適当に片付けといて」
「はっ、はい!」
出て行くとき、林田さんは控室のドアを閉める直前に、あたしたち二人に言った。
「うまくやれよ。…でもいいか、絶対に、無理はすんな」
バタン。
意味ありげな言葉を残して、ドアが閉まった。
「…」
しょーごさんと二人残されて、どこを見ていいのかわからなくなる。
意味もなく時計を見上げたあたしに対して、しょーごさんはひょいっと机から降りた。
「俺も、練習戻るわ」
「…うん」
しょーごさんがドアに歩み寄る。
ドアノブに手を伸ばしたとき、そのきれいな背中が、ぴたっと止まった。
「チア」