レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
「…チア、本当に自信満々だな」
呆れるを通り越して、感心したように言われると、ちょっとばかり恥ずかしくなる。
アキトは口に手を当てた。
なにかと思ったら、
「…ふっ」
――ククク…と小さく、笑っている。
…ま、また笑われた。
「あー、また笑われた!しょーごさんにも似たように笑われたのに!」
「…だって、面白いじゃん。アンタ」
堪えきれないのか、まだ笑いを残したまま続ける。
「どこまでもポジティブに、自信あって」
「…」
「俺も見習わないとな」
きゅっと口角を上げて、アキトが微笑んだ。
「…え?」
「自分にないもののことばかり考えてても、疲れるだけだもんな」
そう言い残して、今度こそ控室から出ていった。
――今度は、あたしも止めなかった。