レジェンドは夢のあとに【8/18完結】

「…チア、本当に自信満々だな」


呆れるを通り越して、感心したように言われると、ちょっとばかり恥ずかしくなる。

アキトは口に手を当てた。
なにかと思ったら、


「…ふっ」


――ククク…と小さく、笑っている。



…ま、また笑われた。



「あー、また笑われた!しょーごさんにも似たように笑われたのに!」

「…だって、面白いじゃん。アンタ」


堪えきれないのか、まだ笑いを残したまま続ける。



「どこまでもポジティブに、自信あって」

「…」

「俺も見習わないとな」


きゅっと口角を上げて、アキトが微笑んだ。


「…え?」

「自分にないもののことばかり考えてても、疲れるだけだもんな」




そう言い残して、今度こそ控室から出ていった。



――今度は、あたしも止めなかった。


















< 198 / 226 >

この作品をシェア

pagetop