レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
そのまま、しょーごさんはワタルのところに歩み寄った。
そして同じようにハイタッチ。
続いて、アキトのところに行く。
アキトはあたしの近くに座っていたから、一瞬その瞳が揺れ動くのが見て取れた。
ハイタッチを交わす二人。
そときに、しょーごさんがさっとアキトに囁く声が聞こえた。
「…頼むよ」
その声に、アキトが同じくらい小さな声で返す。
「ああ。よろしく」
――たぶん、皆には聞こえていないぐらいの小さな声。
でも、あたしはその言葉で、二人が和解できたのだとわかって。
…自然と、頬が緩んでいた。
「おい。雑用係」
ぱっと顔を上げると、目の前のしょーごさんがすっとあたしに腕を伸ばした。
「あっ。はいっ!」
…しょーごさんと、ハイタッチを交わす。
なんだか幸せだなぁと、思った。
頑張ってきてよかった。