レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
雨に打たれ死せずに生きてりゃいいことあるものね、と呟いたあたしの頭がパシン!とはたかれた。
その衝撃で目が覚める。
「いった!」
「だから芸能人デビューじゃないと何度言ったら目が覚めるんだ君は」
「芸能事務所に連れてきておいて、いつまで冗談言ってるんですか。林田さんってツンデレですか?もしや」
「…君のポジティブさはいつか世界を救うだろうと信じてるよ」
林田さんはやれやれと首を振ると、腕組みをした。
そしてソファーに座ったままのあたしを見下ろす。
「いいか?」
「はい」
「この際、はっきり言おう」
「はい」
「君に、歌手として、というか音楽の才能は何ひとつない!」
ガーン!
という文字が、額に刻まれた気がした。
電気ショックが全身に流れる。
「な、な…っ!」