レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
だめ、だめ。
それ以上何も言わないで…
「食事、交通費、その他諸々は経費で」
「のった!」
「…落ちない場合もあるけど、そこはまぁ、よろしくね」
林田さんはにこっと笑ってそう畳みかけた。
もはや、文句を言う隙間もない。
…考えてみれば、
悪い話じゃない。
あたしが本当に望んでる夢ではないけれど、芸能界の仕事。
事務所に寝泊まりできるし、ギャラがもらえる。
プロデューサーっていう響きは素敵。
それにもしかしたら、これがチャンスになってあたしも芸能人デビュー…
「無い頭で何を考えてニヤニヤしてやがる」
むぎゅっと、頬をつねられた。
不機嫌な顔をしたしょーごさんだった。
「ふぎゃっ、ひょーごふぁ…」
「俺たちを踏み台にしてアイドルデビューなんてバカな夢見てないだろうな」