レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
あの、labyrinthのしょーごさんに頬をつねられた!
そう感動しかけたけれど、図星をさされてビクッとした。
「そっ、そんなこと…」
「まだそんな夢見てんのか」
ソファーに腰掛けた林田さんが呆れを通り越して、感動した様子で口を挟んだ。
「100回もオーディションに落ちておいて、つくづく天才的にポジティブな奴だなぁ」
わ、忘れたい過去を!
すかさずしょーごさんから目を逸らしたけれど、しょーごさんは「マジかよ!」と反応した。
興味深々の顔で、あたしを振り向く。
「マジでアイドル志望だったのか。100回ねぇ…」
「へー、チアちゃんオーディション受けてたんだ」
林田さんの向かい側のソファーに腰掛けたケイくんが、膝の上に乗せていたノートパソコンから顔を上げた。
さすが、ケイくんはしょーごさんのような皮肉混じりの口調ではない。
「ま、まぁ…ことごとく失敗しましたけど」