レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
あはは、と他の出演者も含めた会場に笑いが起きる。
マイクを持ったしょーごさんの横にいる人気女子アナが、嬉しそうな笑顔で言った。
『いいですね。しょーごさんはギターさえあればご機嫌なんですね』
『そーですね。単純なんですよ、俺』
白い歯がきらっと光りそうなぐらい、爽やかな笑顔。
それがあまりに眩しくて目を逸らすと、すぐ近くに不機嫌そうな顔があった。
―――絶対、詐欺だ。
同じ人物とは思えない。
「…あたしも視聴者と一緒で、騙されたんだ。この笑顔に…」
「なんだとテメ」
「現実のしょーごを見たら、ファンは半減するだろうね」
ケイくんも、テレビの中のしょーごさんを見ながら頷いた。
「そうか、こないだ録ったバラエティーの放送日だったな。今日は」
林田さんはコーヒーのカップを手にしながら、満足げにテレビを眺めた。