レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
彼の反応に、二人は満足げに「ほらな」と言った。
「こいつは、俺たちなしじゃ何もできねーよ」
「そんなことありません」
「いい加減にしろよ」
あたしに反論したのは、二人じゃなくて、アキト本人だった。
冷たい瞳であたしを睨む。
…氷のナイフのように、鋭い。
思わずびくっとした。
「あんたの見込み違いだ。 早く帰れよ」
手強い。
…というよりも、本人にその気持ちがなければ、どうすることもできない。
肩を落として、三人に背を向けた。
またギターソロが始まる。
演奏が再開される。
…でも、ベースしか聴こえない。
――なんでだろう。
こんな、こんな才能があるのに。
「バカヤローだな。てめーらは。」
きっぱりとした声が響いて、再び演奏を遮った。