レジェンドは夢のあとに【8/18完結】
あたしは、はっと横を向いた。
少し潤んでいた目の先には、サングラス姿の林田さんが腕組みをして立っていた。
「な…」
なんでこの人が、ここに。
口をぱくぱくするあたしにお構いなし。
「今度はオッサンかよ。なんなんだよさっきから」
いよいよ苛立った金髪ヴォーカルが、林田さんにつかみかかろうとする。
林田さんはその手をがしっと掴むと、振り払った。
「…っ」
「下品なのは好きじゃないんだ。クールに行きましょうよ、お互いね。それに君に用はないんだ」
林田さんはどこ吹く風。
ただ者じゃないオーラを感じたのか、金髪がおとなしくなる。
林田さんは、アキトに顔を向けた。
「君さ、いつからベースやってんの」