鳥籠の中の少女
「い、泉だ.......」



「へー、そうなんだ。で?何してほしいの?」



「お前、案外冷たいな。ヘラっとしてて人懐っこい感じだけど」



面倒な事に巻き込まれそうだからだよ。じゃなくて、巻き込まれてるか。



なーんて、言える訳もなく、サラッとスルーする事にした。



「ん?そう?そんな事よりさー、お前呼ばわりしないでくれる?」



「あ、ごめん。じゃ、潤樹って呼んでいいか?俺の事は楼大でいいからさー」



「うん。いいよ。じゃ、楼大。何してほしいの?」



さっきからそれが聞きたいのに、話逸らされるんだよね。



楼大って意外と面倒臭い人なのかな?



「俺と潤樹と泉と銀木で遊びに行こうって誘わない?」



「何でそうなるの?」



俺は不満で顔を歪める。



何で俺と緋結まで巻き込む訳?って言うか、絶対、緋結は手伝ってくれないよ?



"面倒な事は嫌よ"



これで片付けられる。



「流石に、いきなり2人きりっておかしいだろ?気まずいだろ?」



楼大は訴えかけるような瞳で腕を掴んでくる。



あーあ、面倒な事になっちゃったよ。緋結を説得するのが大変だ。
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