鳥籠の中の少女
「なんでそうなるの?」



俺はきょとんとした顔で首を傾げる。



「そんな可愛い言い方するな。でも、何故か、様になってるのは何故だ?」



「さあ?知らない。それより緋結のとこ、行くよ」



俺はまたもや、サラッとスルーして、楼大を強引に引っ張り、緋結の下へ行く。



「ひーゆっ!」



俺は、元気良く、緋結に声をかけた。でも、帰って来るのはあからさまな嫌な態度。



「何」



ほら、『何』だけだよ?酷くない?俺、そんなに邪魔?



でも、へこたれないもんね



「何、じゃなくて、楼大が緋結に用があるんだって」



「へー、楼大が。緋結、楼大から告られるんじゃない?」



泉がケラケラ笑いながら、からかう。



「『俺は無理だね。あんな冷徹美女』って言ってた人が私に告白する訳ないでしょ。馬鹿らしい」



「ギクッ」



楼大は肩を一瞬上げて、バレた事に驚いた。



「楼大、それは心の中で言う事でしょ?言葉にしたら、取り返し付かなくなるよ」



「いやいやいやいやいや。そそそそそんな事言ってないよ?」



「煩い人ね。あれだけの大きい声で言ってたら、誰でも聞こえるわよ」
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