鳥籠の中の少女
「確かにそうだよねぇ。アタシにも聞こえてたもん」



桜木はケラケラと笑い、瞳に涙を溜めている。



「沙良にも聞こえたよ」



葉連紀は、桜木と違って、笑いを堪えている。



「勿論、あたしにも聞こえてたけどね」



泉も楽しそうに笑う。



「そんなに俺、声デカかったか?」



「その声が煩い。話すな。黙れ」



「緋結、怖いよ?それと、何か怒ってない?」



「潤樹も黙れ」



「緋結、あたし達と楽しく話してたから、邪魔されて、怒ってるんだよ。緋結、そんなに怒らないの」



泉が仲裁に入って来る。



「怒ってないわ」



緋結は無表情だから、よく知ってる人が見ないと、怒ってるのか分からない。何考えてるのかも分からない。



でも、俺は分かるけど。緋結、相当怒ってるな。どうしよう。



「緋結、ちょっとだけ、時間頂戴?」



「嫌」



「じゃ、あたしに免じて、行って来てあげて?」



「愛璃が其処までする必要あるの?」



「だって、楼大が......」



愛璃が楼大の方を指差すから、みんなが楼大の方を見ると......
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