鳥籠の中の少女
「ちょっと、こっち来て」



「え?」



楼大が緋結を無理やり引っ張って、廊下へと行く。



「あはは.......緋結かりるね」



俺は、泉達に誤魔化して、楼大の後を追って行った。



「手、痛い。離して」



廊下に出てきた所で、緋結が文句を言う。



「あ、ごめん」



楼大は慌てて離して、謝る。



「で?何?」



「えっ....と......それは.......」



楼大はモジモジし出して、黙り込む。



「用が無いなら、戻るから」



緋結が泉達の所に戻ろうとするから俺が止めた。



「潤樹も何?」



「楼大、言いたい事あるって言ったでしょ?」



「でも、黙り込んでるでしょ?私、必要以上に人と関わりたくないの」



俺達が言い合いをしてると、楼大が口を開いた。



「.........泉が好きなんだ...........」
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