鳥籠の中の少女
「もう、3時だね」



愛璃が愛用のベージュの腕時計を見て言う。



「そうね。何処か、休憩でもする?」



「俺は、緋結の意見に大賛成!歩き疲れたもん」



「俺も、何か食べたい」



潤樹と神賀が私の言葉に喜んで賛成してくれる。



「じゃ、あたしと神賀で何か買ってるくよ。緋結と潤樹は其処のテーブル取って置いて」



愛璃が指差す先には、プラスチックの白いテーブルとイスが沢山置いてある。



「いいわ」



「分かった」



私と潤樹が頷くと、愛梨がニヤリと笑う。



そして、私の耳元に来て、囁いた。



「潤樹の事好きなんでしょ?告っちゃえば?」



愛璃はそれだけ言うと、神賀と一緒に食べ物を売ってるワゴンへと向かった。



神賀にとっては大チャンスなんだけど。



私の為と言うより、神賀の為よね。



私は呆れながら、ボーっと、そんな事を思った。



「緋結、座ろうよ」



「そうね」



私達は沢山置いてあるテーブルとイスの中の1つに座った。
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