鳥籠の中の少女
「緋結」



潤樹が心此処に非ずと言った感じで私の名を呼ぶ。



「何」



「俺、姉を殺されたって言ったよね」



「ええ、言ったわ」



私が唯人の事を話した、あのお墓で。



「俺も此処で姉を殺されたんだよ」



私は目を見開く。



「まさか......」



「そのまさか。桜花アウトレットパーク殺人事件で殺された。姉は、友達と此処に遊びに来てたんだ。其処で、友達は助かったけど、姉は殺された」



嘘だ.......



嘘だ嘘だ嘘だ!!



嫌!



止めて、それ以上言わないで!!



また、私は十字架を背負う事になる。



もう嫌なの!!



止めて!!!



そんな心の叫びは届かず、潤樹は話を続ける。
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