鳥籠の中の少女
愛璃だって、本当は言いたくないんだよね。



分かったよ。



俺が話せばいい。



緋結に後で怒られたら、しょうがない。



俺は決心をして、口を開いた。



「緋結は――――――――――。」



それから、全部話した。



緋結が過去に恋人だった唯人さんを殺された事。



それから、心を閉ざした事。



何もかも、包み隠さず。



聞き終わった、楼大の一声は驚きの言葉だった。



「銀木、だから、いつも悲しそうな瞳してたんだな」



「.........知ってたの?」



愛璃が漸く、言葉にする。



「ああ、最初は冷たい女だなって思ってたけど、この1週間見てて、よく見たら悲しそうな瞳してるなって思ってたんだ。何で、そんな瞳してるんだろうって思ってた」



「緋結はあの事件があってから、自分の事、ずっと、責め続けてたんだよ。自分の所為だって.........」



俺が力無く笑うと、楼大は口を噛んだ。



「ごめんな。そんな、悲しい過去の場所へ連れて来させて......」



「神賀は悪くないよ。あたしと緋結が立ち直れるようにって、潤樹がしてくれた事。誰も悪くない」
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