鳥籠の中の少女
「それが危険信号だからって事だね」



俺が、愛璃の言いたい事であろう事を言うと、愛璃は一瞬、驚いた顔をして、直ぐに真剣な表情に戻った。



「うん。相当追い詰められてる気がする」



「危ないな。今の緋結でも精神は不安定。それなのに、追い詰められてるって.......」



俺何か、変な事言ったのかな?



俺が話した事は、姉の事。



緋結の恋人だった唯人さんと同じ事件で殺されたと言っただけの筈。



その話が、ダメだったのかな?



でも、何で?



緋結が飛び出す理由と、この話がどうやって結びつくのか、分からない。



緋結、どういう意味なの?



どうして、傷ついたの?



俺、分かんないよ。



「銀木、壊れるんじゃないか。俺も嫌な予感する」



「もしかしたら、2学期になるまで来ないかもしれない」



俺が言った事は、当たった。



緋結は、夏休みまでの1週間、ずっと、休んだ。



そして、とうとう夏休みに入ってしまった。
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