鳥籠の中の少女
「あら、愛璃ちゃん、来てくれたのね」



「はい。今まで、緋結の情報を提供して頂き、ありがとうございました」



え?



どういう意味?



情報提供?



「いえいえ。愛璃ちゃん、緋結をよろしくね」



お母さんが悲しそうに微笑む。



「分かりました」



愛璃は笑顔で答え、私を強引に引っ張りながら、階段を上っていく。



「愛璃!これどういう事?」



愛璃は立ち止まり、振り返る。



「全部話してあげるから、緋結も全部話して」



愛璃は真剣な目でそう言うと、また、強引に私を連れていく。



私の部屋に着いて、中に入ると、愛璃は口を開いた。



「緋結が1週間何してたか、緋結のお母さんに聞いてたの」



「お母さんは余計な事を」



「余計な事じゃない!緋結の為なんだから!」



「それで、電話する前に私の家の前に来て、玄関で待ってたのね」



「そうだよ」
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