鳥籠の中の少女
お母さんは何故、愛璃にそんな事をしたの?



そんな事をすれば、いずれは愛璃が私の家を訪ねるのは当然の事。



なのに、どうして?



お母さんの不可解な行動に謎は深まるばかり。



「緋結、何で黙り込むの?」



「何でもない」



私はそれだけ、言って、また考える。



「緋結、ちゃんと、話して。あたしが緋結の事、全部受け止めるから」



手を大きく広げ、微笑む愛璃。



お母さんは愛璃だから、協力したの?



私の理解者を作ろうとしたの?



ずっと、私が独りぼっちだった事を知ってるから?



みんなに優しくされて、笑えるようになったけど、それでも孤独を感じていた事を気付いてたの?



お母さんは愛梨なら大丈夫って言いたいの?



「今度は逃げたりしないから。だから、ちゃんと、話して?」



分かった。



お母さんと愛璃を信じてみる。



< 161 / 230 >

この作品をシェア

pagetop