鳥籠の中の少女
「いいわよ。話すわ。でも、私の話を聞いたら軽蔑するわよ?」



「軽蔑したりなんかしない。大事な親友だから」



「その覚悟は本物?」



「覚悟は出来てるよ」



愛璃はしっかりと私の瞳を見て、真剣な瞳で言う。



「分かった」



私は机の近くにあった、キャスター付きの椅子に座って、クルリと回り、愛璃の方を見る。



「愛璃も座っていいわよ。長話になるから」



愛璃は、ベッドの上に座った。



私は、それを確認してから、口を開いた。



「桜花アウトレットパーク殺人事件の犯人の名前って覚えてる?」



「覚えてるよ。風洞 洋祐【フウドウ ヨウスケ】」



「そう。風洞 洋祐。でも、その名字、何処かで聞いた事無い?」




「風洞?そう言えば聞いた事あるような.........」



愛璃は思い出すように遠い目をする。



私は愛璃が口を開くのを待った。



「......まさか........」



「そのまさかよ。私が5歳までの名字」



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