鳥籠の中の少女
「どうして、コントロール出来なくなったの?」



愛璃が恐る恐ると言った感じで、言う。



「会社の中で1番中の良かった、中学からの親友が目の前で会社の屋上から飛び降りたの」



私の言葉で、部屋の空気は一気に重たくなる。



元々、重かった空気が更に重くなって、この空気に押し潰されそう。



頑張って、冷静でいたのに、お父さんがって思うと、辛くなって話せなくなりそう。



でも、ダメだ。



最後まで聞いて貰わないと、私が後悔する。



そんな気がする。



「それを見た、お父さんは第4の人格が生まれてしまった」



「第4の人格?」



「そう。これまでの人格と違って危険な人格だった。争いを好み、人を攻撃する事に快楽を覚える人格だったから」



愛璃は目を見開いた。



もう全部分かったと言うように。



「その第4の人格が、あの事件を起こしたんだね」



「そう。そんな危険な人格が生まれて、コントロールも出来ないお父さんは凄く危険だった」



お父さんは凄く辛かったんだろうな。



「それを知った、お父さんは離婚届1枚のメモを残して家を出て行った。1枚のメモにはこう書いてあった。『今までありがとう。これ以上、大事な家族を傷付けたくないから、出ていく事にする。でも、2人共愛してる』」



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