鳥籠の中の少女
「そんな事したりしないって言ったでしょ?緋結のお父さんが望んでした殺人じゃない」



「もし、意味も無く殺すような父親だったら?」



私はそれでも、問い詰めた。



「しない。緋結は悪くない。加害者家族だからって、緋結は何も悪いことしてない」



愛璃は、しっかりと私の瞳を見据える。



よかった........



軽蔑されなくて.........



私は雫を零した。



「緋結!」



愛璃は私の方に来て、私を抱きしめた。



「辛かったでしょ?緋結のお父さんがそんなにも緋結の事を大事にしてくれてたのに。でも、緋結の愛する者を殺された。辛かったよね」



愛璃はギュッと抱きしめてくれる。



愛璃の言う通り。



こんなにも愛してくれたお父さんの事が私は嬉しくて。



でも、そんな人が唯人を殺してしまって。



我に返った、お父さんを自殺に追い込んだのは私なのだから。



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