鳥籠の中の少女
私は決心を固め、家を出た。



家を出た途端、ムワッとした空気が纏わりつく。



外に出て直ぐなのに、額に汗を滲ませながら、向かいの潤樹の家に行った。



--ピーンポーン



軽快な機械音が流れる。



暫くして、女の人の声が聞こえた。



「はい。あら、緋結ちゃんね。潤樹に用かしら?」



潤樹のお母さんだ。



「そうなんです。潤樹に外へ出て来て貰ってもよろしいですか?」



「分かったわ。今すぐ行かせるから」



潤樹のお母さんが、承諾した後、2~3分で潤樹は出てきた。



「遅くなってごめん。どうしたの?」



「公園に行かない?」



「え?いいけど、家の方が涼しいよ」



「静かな場所で話したい事があるから」



私は空を見ながら言った。



これで、潤樹との関係も崩れるんじゃないか?



怖くて仕方ない。



それでも、前に進まなきゃ。



絶対、後で後悔するから。
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