鳥籠の中の少女
唯人、我儘だけど、私に勇気を頂戴。



唯人の好きだった空が私を強くしてくれる。



でも、唯人の好きだった空が私を弱くするの。



もう、大切な人を失いたくないって思ってしまうの。



だから.......



だから、今は、唯人の好きだった空が私を強くして下さい.........



「分かった。じゃ、行こうか」



潤樹は歩きだした。



私もそれについて行った。



此処で公園と言えば、家を出た道を真っ直ぐ行った所の角にある、小さな公園の事。



滑り台とブランコしかない、寂しい公園。



普段は、子供がいっぱいで騒がしい公園だけど、今は7時。



夜は、暗くて静かな公園となる。



暫くして着いて、私は黙々とブランコへ向かう。



--キィィ



寂しそうな音を立てる、ブランコに私は座る。



それを見た、潤樹は隣のブランコに座った。



「潤樹、此間はごめんね」



私は空を見ながら、ポツリと呟いた。
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