鳥籠の中の少女
「別に良いよ。何かあったんでしょ?」



「そうよ。だから、今日、説明する」



「無理しなくてもいいよ。辛い事なんでしょ?」



私は黙って首を振った。



「確かに辛い事。だけど、言わないと、私が後で後悔するから」



「そっか。じゃ、聞くね」



「うん。まずは、私のお父さんの話をするね」



私は、潤樹に寂しく思いながらも笑って、話し始めた。



愛璃に説明した順番じゃなくて、お父さんの事から話し始めた。



そうでないと、最後まで聞いて貰えないんじゃないかって思ったから。



全てを話し終えた時、潤樹は固まっていた。



そんな潤樹に私は止めの一言を言った。



「私は、潤樹のお姉さんを殺した犯人の娘なの」



その言葉を聞いた時、私の方を見ていた。



驚きを隠しきれない様子で。



「これがあの事件のもう1つの真実。警察は何も知らない。病気だった事も何もかも」



黙り続ける、潤樹に私は話を続けた。



「知ってるのは、私とお母さんとお父さんの治療をしていた心療科の先生だけ。今は、愛璃も知ってる」
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