鳥籠の中の少女
--チャラン



潤樹はブランコの音を立てて、立ち上がった。



表情は俯いてて分からない。



でも、困惑とか驚きとか、色々な感情が混ぜこぜになったような表情をしているだろう事は、なんとなく分かった。



「.........ごめん.......俺、帰るね」



それだけ言って、帰って行く、潤樹。



私はボーっとその姿を見ていた。



「はぁー.......やっぱり、思ってた結果になっちゃったわ」



1人、空を見上げながら呟く。



「.......分かってたのに.........分かってたのに.....辛い.........」



いつの間にか流していた涙。



私はやっぱり、潤樹の事が好きだったんだ。



何時からだろう?



多分、出会った日に恋してたんだと思う。



辛い........



辛いよ.........



胸が苦しい。



私は、暫く、空を見上げながら泣いた。
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