鳥籠の中の少女
--コンコン



そんな声が伝わったかのように誰か来た。



「誰?」



「俺、楼大」



「楼大!?どうして此処に?」



「それより、中に入れてくれよ?」



「あ、うん」



俺が承諾すると、ガチャリと音を立てて開いた扉。



楼大が部屋の中へと足を踏みしめる。



「此処、座って」



俺は自分が座っているソファの俺の隣をポンポンと叩いた。



「ああ」



今日の楼大は元気がない。



と言うより、大事な話があるみたいで、真剣な瞳をしていた。



楼大は俺の隣に座ると、口を開いた。



「潤樹はどうしたいんだ?」



「え?」



意味が分からなかった。



まるで、全部知ってるみたいだったから。
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