鳥籠の中の少女
「だけどさ、死んでからでも気付いたらいいんじゃないか?それで、知ることも沢山あると思うぜ?」



「そうだね。色々、知った。生きてる事が当然。この考えは間違ってるって知った。人はいつか死ぬ」



「俺も、みんなの話聞いてたら、人って何時死ぬか分からないんだなって思った」



「そう。俺が明日死んだっておかしくない。人の死と言うモノは突然やって来るモノ」



「其処から学んだんだろ?何時死ぬか分からないからこそ、一生懸命生きないといけないって」



楼大は俺の言いたい事は分かってると言うように、笑顔で言った。



「楼大も勉強したんだね」



「そうだな。人生の勉強した。潤樹と銀木と泉が教えてくれた」



「俺も楼大に教えて貰ったよ。緋結から真実を聞いた日から考えていた答えが。でも、姉はいいって言ってくれるかな?」



「言ってくれると思うぜ」



楼大は窓の外の空を見ながら言った。



「何で、言いきれるの?」



「潤樹が潤樹の姉を大事に思ってたように、潤樹の姉も大事に思っていただろうから」



「それ、理由になって無いよ」



「此処まで言っても分かんねぇのかよ」



楼大が呆れたような眼差しを向けて来る。



「うっ.......分かんないよ」



俺は、渋々、素直に言った。
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