鳥籠の中の少女
「潤樹は潤樹の姉が大事だったんだろ?」



「うん」



「だったら、潤樹の姉だって、潤樹の事大事だったんじゃないか?」



その言葉を聞いてハッとした。



姉が俺の事を大事に思ってる?



そんな風に考えた事なんて無かった。



「潤樹は、潤樹の姉が死んで尚、大事に幸せを願ってる。それは潤樹の姉だってそうなんじゃないか?」



俺は、今でも姉事が大事だ。



だから、少しでも、緋結を憎いって思った。



だけど、姉はそんな事望んでないって事?



俺が考え込んでる間に、楼大は立ち上がっていた。



「さあ、俺の役目はこれで終わり。後は自分で決める事だな」



「え!?」



楼大が今にも部屋を去ろうとするから、思わず、顔を上げた。



「自分が悔やまない道を選べばいい」



「そんなの分からないよ。正しい答えなんて分からない」



「俺は正しい答えとは言ってない」



「え!?」



楼大の意味不明な言葉に間抜けな声を出してしまう。
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