鳥籠の中の少女
私が踵を返して、廊下を歩くと、沙良と小学生2人が付いてきた。



「お邪魔します」



沙良だけは、お母さんに頭を下げて、丁寧に断りを入れてから家に入った。



黙々と歩いて、自分の部屋の前に来る。



みんなが入ってから、私が最後に入って、部屋の扉を閉めた。



私は1つ溜息を吐いてから、口を開いた。



「何の用?」



「だから、遊びに来たって言ったじゃん」



愛璃が笑顔で返す。



でも、分かってる。



「違う。私の様子を見に来たんでしょ?」



分かってるから........



「ひゆりん、意味分かんないよぉ?」



みんな優しいから。



だから、そんなに笑顔なんでしょ?



張り付けたような笑顔、私は見たくない。



「意味は1番、みんなが知ってる事でしょ?」



3度目の問いに、みんなが沈黙する。
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