鳥籠の中の少女
愛璃は足の力が抜けたように、その場に座り込んだ。



「はははっ..........緋結には何でもお見通しだね。緋結は泣きたくないの?あたしは今、緋結が考えてる通り、泣きたい........」



其処で、愛璃は涙を流した。



--ドンッ



愛璃が床を拳で叩いた。



「何で!?何で、緋結ばかり、辛い思いしないといけないの!?十分、苦しんだじゃない!!なのに、なのに、どうして..........?」



「どうして、潤樹まで奪おうとするの?でしょ?」



私は愛璃の目の前まで、歩いて行き、愛璃が言いたかっただろう言葉を言った。



「緋結........」



愛璃は顔を上げ、涙で潤んだ瞳で私を見てくる。



そんな愛璃に私はしゃがみ込んで笑顔で言った。



「大丈夫だよ。私には愛璃がいるから、悲しくない。寂しくない。愛璃のその心があるから、私は大丈夫」



そして、2人の方にも目を見やって、笑う。



「花音も沙良もいるからね。2人も愛璃と同じように思ってくれてたんでしょ?その心だけで私は十分」



花音と沙良は固まっていたけど、フッと笑顔になった。



「ひゆりんはアタシが思ってるより強かったんだね」



「沙良もそんな強さ、欲しいな」



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