鳥籠の中の少女
私はみんなを見まわしながら言った。



「みんなは、大切に思ってる人いる?」



私の唐突な質問に戸惑う3人。



でも、ちゃんと答えてくれた。



「沙良は、沙良の家族。花音、愛璃。そして、緋優だよ」



「アタシも同じ!」



「あたしも同じかな?」



「じゃ、大丈夫よ」



「「「え!?」」」



意味の分からない、私の言葉にまたも戸惑う3人。



「十分、強くなれるよ」



私は深呼吸をしてから、続けた。



「人は大切な人がいるから、強くなれる。1人じゃ、どうしようもない事も、大切な人がいるから頑張れる。私は、そうだと思うわ?」



次の言葉で漸く、3人は理解したような、納得したような顔をした。



「そっか。そうだね。人は弱いもんね。誰しも弱い。でも、強い人もいる。それは、大切な人がいるからなんだね」



愛璃は、うんうんと頷きながら、笑顔で言った。



「ひゆりんは、それが言いたかったんだね。沙良が強さが欲しいって言ったから」



「そうよ」




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