鳥籠の中の少女
「そうだったんだ。ありがとう、緋結。沙良も強くなれるんだね」



「そうよ。だから、大丈夫」



私は笑顔で言った。



大分、自然と笑えるようになった。



こうして、笑える日が来るなんて、潤樹を出逢った頃は思ってなかった。



みんなのお陰だから、感謝しないとね。



「緋結」



後ろから、愛璃の声がして、振り返る。



「何?」



「潤樹の事好きなの?」



私は黙って頷いた。



「辛くて苦しくて、また、壊れるかもしれないよ?」



愛璃は心配そう。



「大丈夫よ。さっきも言った通り、私には、愛璃、花音、沙良がいる。こうして、心配してくれるような、優しい友達を。だから、潤樹が、嫌いになっても別に構わない。ずっと、隠し続ける方が辛い」



「緋結は決めたんだね」



「決めたわ」



「じゃ、もう何も言わない。唯、友達として、恋の応援をする。どんな辛い結果になっても、一緒に泣いてあげるから。あの時の様に、逃げたりはしない」



愛璃の決意にも似た、強い瞳に胸を打たれる。
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