鳥籠の中の少女

涙の理由

「HR始めるぞー」

教室の中に先生が入って来てHRを始める。

私はその声に傾けながら、窓の外の碧い空を見た。

今日も長い1日が始まる。

私にとっては意味のない1日が。


「今日はみんなに良い知らせがある。転校生が来た」

「え?誰誰?イケメンかなー!?」

「美女かもしれないぞ!」

「先生もったいぶらないで早く紹介してよー!」



転校生と聞いてみんながざわめく。

みんな勝手に想像して盛り上がってるけど、私は興味がないから空を見続ける。

雲1つない空は私の心とは正反対。

モノクロの私の世界にあんな綺麗な碧い色はない。


「しょうがないなー。樋渡、入ってくれ」


自己紹介は見た方がいいだろうと思って私もドアの方を見る。




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