鳥籠の中の少女
「面倒な事になったわ」



緋結は溜息を吐いていた。



「しょうがないよ。愛璃、やる気満々だったし」



「潤樹は助けてくれないのね」



「俺も、緋結の浴衣姿見たいから」



意地悪な笑顔で言うと、緋結は、また1つ、溜息を吐いた。



「どいつもこいつも、私で楽しむのね」



呆れたような眼差しを向けられるけど、俺はニコニコと笑った。



暫くして、ニコニコ笑顔の緋結のお母さんと愛璃が来た。



「緋結、さっさと着替え済ませて!」



「潤樹君、ちょっと、リビングに行ってて」



「分かりました」



俺は部屋を出て、リビングのソファに座る。



「無理矢理着せないでよ!!」



「絶対着せてあげるわ!」



「緋結、浴衣似合うんだから大丈夫!」



1階にも聞こえてるんだけど。



俺は心の中で突っ込みつつ、ケータイを出した。



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