鳥籠の中の少女
「ああ、そう言う事」



俺が呟くように言うと、緋結も続いて言った。



「なるほどね」



「え!?え!?何?まさか、固まってる理由分かるの?」



愛璃が意味が分からないと言った感じで、捲し立てる。



「分かるよ」



「分かるわね。あの顔は」



「教えて!」



愛璃は瞳をキラキラさせながら、俺と緋結に懇願する。



「楼大に聞いて」



「同じく」



「えー!?何でー!?何で教えてくれないのー!?」



愛璃は納得いかなさそうにブツブツ何か言っている。



「愛璃って鈍感よね」



「だね」



俺と緋結は顔を見合わせて、呆れた顔をした。



そろそろ、我に返ってもらわないとな。



このままだと鼻血出しそうだし。



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