鳥籠の中の少女
「楼大!」



俺は楼大の肩を持って、ゆさゆさと揺さぶる。



「あ、ごめん」



楼大は今の状況を把握して、顔を真っ赤にした。



其処へ、俺は意地悪く、耳元で囁いた



「見惚れてたよね」



それを聞いた瞬間、よりいっそう、顔を赤らめた。



「からかうな」



「だってホントでしょ?」



俺はニコニコ笑うのに、楼大は悔しそうに、でも、恥ずかしそうに顔を赤らめる。



「潤樹、何話してたの?」



「んー?何でもないよ」



「何でもない事無いでしょ?教えてよ」



愛璃はまだ、納得いかなそうに、問い詰めて来る。



「無理」



「意地悪!」



「これは楼大から聞いた方がいいから」



俺が笑って答えると、愛璃は『意味分かんない!』と言って、また、ブツブツ言った。



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