鳥籠の中の少女
「まあね。久しぶりに着ようかと」



「やっぱり、デートとなると、オシャレにも気合が入るんだー」



愛璃は私の巻いた髪をくるくると弄びながらからかう。



「煩い」



「髪まで巻いちゃって」



これでもかと、からかう愛璃に呆れる。



「この服にだったら、巻いた方がいいかなって思っただけよ」



「はいはい、分かりましたよー」



「あ」



私は向かいの家から出て来る人を見て、固まる。



「ん?何?どうしたの?」



「あ、2人共、準備早いね」



笑顔で此方に向かってくる人物。



名前を言わなくても分かるだろう。



「潤樹も早いねー」



「あとは、神賀だけね」



「そうだね」



「ねぇ、潤樹」



「どうしたの?愛璃」



潤樹が不思議そうにすると、愛璃はニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる。



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