鳥籠の中の少女
「緋結、髪巻いたんだよ。潤樹の為なんだってー」



それを聞いた、潤樹は顔を赤らめた。



「ち、違うから!愛璃、変な事言わないで。服に似合った髪形にしただけなんだから」



私が慌てて、訂正すると、潤樹も意地悪な笑みを浮かべた。



「へぇー、残念だなー。俺の為にしてくれたと思ったのに」



--ぺシッ



「イタッ」



私が潤樹の頭を叩くと、潤樹は痛そうに頭を擦った。



「冗談、言うから悪いのよ。私をからかおうだなんて、100万年早いわ」



「はははっ!潤樹、かわいそーに」



全然可哀想に思ってない、愛璃はケタケタと笑う。



「緋結も愛璃も酷い」



そのやり取りに、自然に笑顔になる。



「おーい!遅くなってごめん!」



其処に、神賀が自転車で走って来た。



「また、妹に遊べって煩く言われた?」



「そうなんだよ。潤樹。俺の愚痴、聞いてー」



「え!?なになに?楼大って妹居いたの?」



いつの間にか、楼大と下の名前で呼ぶようになった、愛璃が面白そうに耳を傾ける。



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