鳥籠の中の少女
緋結は俺に向き直って冷たく言い放った。



「私は貴方の事知りたいと思わない」



それだけ言って、スタスタと歩いて行ってしまった。



追いかけようとしたけど、学校が近なってきた事で生徒が増えてきて、俺は女子に取り囲まれる。



「潤樹君って2組なんだよね?」



「この学校楽しい?」



「潤樹君ってどんな女の子好き?」



一斉に話しかけられて何が何だか分からなかった。



俺、聖徳太子じゃないんだけど。



一斉に話しかけられたら分かんない。



って言うか、何で俺の名前知ってるんだよ!?



「えーとさ、何で俺の名前知ってるの?」



「「「きゃあああ!!」」」



ええっ!?



何で悲鳴を上げるの?



「声までかっこよすぎる!!」



「まさに美声!!」




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