鳥籠の中の少女
「意外と早かったね」



愛璃が笑顔で言う。



「急いだからね」



「じゃ、行こうか」



潤樹の言葉を合図に私達は歩きだした。



「今、気付いたけど、銀木、ワンピース着るじゃん!」



「そんなに驚かなくてもいいでしょ。失礼ね」



「だってさー、イメージ無かったし」



「昔は緋結、こういうワンピースとか、よく着てたんだよ」



愛璃が笑顔で神賀に説明する。



「銀木が可愛い系の服着てたなんて思わなかったなー」



「俺もそう思う。でも、可愛い系の服も似合うよね」



潤樹がサラッと恥ずかしい事言うから、心臓がドクンッと、跳ねあがった。



「潤樹って、恥ずかしい事、サラッと言うんだよなー。こっちの気も知れないで、惚気て」



楼大が冷たい視線を向けると、潤樹も言い返した。



「さっきまで、惚気てた人に言われたくない」



「うっせぇー」



楼大は、さっきの事を言われていじけた。



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