鳥籠の中の少女
目的の場所。



それは唯人のお墓。



流石に平日の朝にお墓参りする人はなく、誰もいなかった。



お墓の前に行く前に水を汲む。



それと花束、ろうそく、線香、ライターを手に唯人のお墓の前に来る。



紫苑の花束をお墓の前に置き、ろうそくを立てて火を付けた。



その火に線香を近づけて、火がついたのを確認すると1度振って火を消し、線香を立てた。



線香独特の香りがする。



その香りを感じながら、水置き場に水を入れて、残りは墓石にかけた。



そして、再び唯人のお墓の前に来て、手を合わせる。



今年も持ってきたよ。



紫苑の花。



唯人が好きだった花。



この花に込めたの2つのメッセージ。



1つ目は『遠方にある人へ思う』



2つ目は『君を忘れない』



これは紫苑の花言葉。



天国の唯人へのせめてもの思いを伝える術。



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