鳥籠の中の少女
「そうかもね」



そう言って、私は立ち去ろうとした。



「待って!!」



その言葉を聞いて振り返る。



「何?」



「亡くなった人って緋結の中2の時の彼氏の唯人さん?」



その言葉を聞いて私は目を見開いた。



「どうして知ってるの.....?」



「この1週間の間で女子達に取り囲まれた時に中学の時の緋結の事知ってる人がいて、緋結の過去を洗い浚いペラペラ話してたから。その子、愛璃って言ってた」



愛璃.........



私の友達だった人で、唯人の事を好きだった人。



「そう。愛璃はお喋りな子ね。言わなくてもいい事を」



「そうだね。聞かないほうがいい事聞いちゃった」



「なら、これ以上聞かないで」



今度こそ、立ち去ろうとしたのに......



でも、また止められた。



「待って!」



その言葉に立ち止まって振り返る。



「何?」



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