鳥籠の中の少女
「うわああぁあぁあああぁぁああ!!!」



そして、男は落としたナイフを手に取り、自分の首にナイフを当てて一気に自分の首を切った。



大動脈を切った男の首から大量の血が飛び散る。



血は楽しそうに踊りながら、地面を紅く紅く染め上げる。



--バタッ



そのまま男は倒れて、息を引き取った。



私はその光景を目の前にして、いきなり自殺した驚きと人が死ぬ瞬間を見てしまった恐怖とが綯い交ぜになった感情が溢れだした。



そして、唯人もこのまま死ぬんじゃないかと更に怖くなった。



「ひ....ゆ.....」



先程以上に辛そうな唯人が一生懸命私の名を呼ぶ。



「どうしたの?唯人」



声を上擦らせながらも返事をする。



「おれ.....し....ぬか...も...」



苦しそうにしながらも、『ははは....』と乾いた笑いを洩らす唯人に涙が止まらなくなった。



「そんな事あってたまる訳ないでしょ!?私の事幸せにしてくれるんしょ!?死ぬかもなんて言わないで!!」



唯人の服にポタポタと流れる涙は、大雨の様に流れる。



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