鳥籠の中の少女
「だっ.....て....おれ....もう....や....ばい...し...」



そのか細い声を消すように、ピーポーピーポーと救急車のサイレンが響く。



「もう少しで救急車来るから!だから、生きて!!」



「.....ひ...ゆ...」



「何?どうしたの?あまり話さないほうがいいわ」



私は恐怖に顔を引き攣らせながらも声を掛ける。









「.....あい....して...る....」









最後にニコッと微笑んで、目を閉じた。



それを見た私は、目を見開いた。



「いやああぁあああぁぁあぁああぁあ!!!!!」



そう叫んで、もう息をしていない唯人を思いっきり抱きしめた。





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